メンタルが弱いと言わせない、スポーツにおける緊張との付き合いかた。
こんにちは、福岡伸哉です。
大事な試合で緊張して思い通りにプレーできず負けた。また同じミスをすると思うと緊張して手が震えるなど。
こんな経験はありませんか?
僕自身も緊張するタイプですし、インターハイが決まる試合で自分の手が震えていたのを今でも思い出します。
その当時の自分は緊張するな、落ち着けと自分に言い聞かせたり周りからも同じようなことを言われていました。
結果、緊張は緩和することはなく、むしろ悪化する時もあったぐらいです。
一体、どうすれば良かったのか…今の僕なりの答えで一人でも自信を持ってプレーできる選手が増えるならと思い、この記事を執筆します。
記事の信憑性
本記事を読むことで、スポーツにおける緊張の本当の意味や原因、緊張をコントロールする方法がわかるようになります。
それでは、さっそく見ていきましょう。
緊張の正体
まずは緊張とは自律神経である、人を活動的にさせる「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」のバランスが崩れることで起きます。
活動的にさせる交感神経が優位になることで心臓がドキドキしたり、興奮し過ぎる状態を一般的に緊張していると言われています。
緊張は悪なのか?
スポーツにおいて緊張は必ずしも悪とは限りません。
緊張が高過ぎると力みや注意散漫に繋がりますが、低すぎても集中力の低下ややる気の低下に繋がります。
適度に緊張している状態が最もハイパフォーマンスが発揮でき、ゾーンと言われる状態に入りやすいとも言われています。
緊張してしまう原因
- 緊張しないを意識している
- ネガティブ思考
- 準備不足
- 周りの評価を気にしている
1.緊張しないを意識している
勝負がかかる場面では当然緊張します。
その緊張した場面で緊張しないようにと考えると「逆性的思考侵入効果」といって「緊張」というワードに脳が意識して余計に緊張することに繋がってしまうと言われています。
緊張しているのは当たり前と緊張を受け入れることが大切です。
2.ネガティブ思考
試合中にはいろいろなところに意識が行き、余計な思考が頭をめぐります。
「さっきのミスがなければ」「ここでミスしたらどうしよう」などネガティブになってしまうこともあります。
このネガティブ思考は全て過去と未来のことです。大切なことは過去や未来ではなく今、ここ。という気持ちです。
また、ネガティブ思考なことは決して悪いことばかりではありません。先ほども書いた通り、ネガティブ思考の人はまだ起きてもない失敗やミスを考えてしまいます。
ただ、逆を言えば不安があるから、リスクを想像して対処する方法を想定できる人という見方もできます。
これをリスクマネージメントができる人と言い換えることもできます。
例えば、接戦の場面であえてリスクはあるが勝つために難しいプレーで勝負に出るというのがよくニュース等で取り上げられますが、あれは上手くいった時の結果論で、現実は大体失敗することが多いです。
常に勝つ選手は接戦の時ほど冷静に致命的なミスをしないように負けないプレーを選択することの方が多いです。
3.準備不足
緊張する理由で実は最も多い理由は準備不足があると思います。
大会まで思うように練習ができなかった、昨日はあまり寝れなかったなど、これらの不安が緊張を引き起こしているケースが多いです。
緊張をメンタルが弱かったという目に見えないもののせいにして食事や睡眠、体力や作戦など目に見える部分で劣っていたことから目を逸らさないようにしましょう。
まずはちゃんと戦うために事前準備ができていたかどうかを考えることが必要です。
4.周りの評価を気にしている
親や親族、周りの人から期待をされている、負けたらレギュラーから外されるなど周囲からの評価を気にし過ぎることも過剰な緊張を引き起こしている原因でもあります。
気にしないというのは難しいですが、多くの場合はあなたが思っているほど他人はあなたに興味がないことの方が多いです。
期待されているという考えよりも応援してくれていると考えると少し気持ちが楽になるかもしれません。
全ての原因がわかったところで、すぐに緊張しなくなったというようにはいかない場合の方が多いのが現実かと思います。
原因の解決に努めても、それでも緊張する時は緊張してしまうものです。そんな場合はどうすればいいのか、緊張をコントロールする方法をご紹介していこうと思います。
緊張をコントロールする方法
・イメージトレーニングをする
・一度激しい運動をする
遠くを見る
人間は視覚優位性というものがあって、目の動きとメンタルは密接に関係しています。
その為、”集中できていない時や緊張する場面では一度空を見上げたりして遠くを見るようにするといいかもしれません。
イメージトレーニングをする
イメージトレーニングは様々な研究からもポジティブな結果が多く報告されており、あるプレーパターンを繰り返しイメージしておくと、実際にその場面に遭遇したとき、脳は記憶の中から咄嗟にイメージで浮かべた反応を選んで体に指示を出します。
イメージトレーニングでは体を動かしませんが、脳は体を動かすための命令を発信しています。
これにより、実際のプレーにおいても脳はスムーズに体を動かす筋肉に命令を出せるようになるようです。
アガリ症の方にも有効という言われているので大切な試合の前には一度イメージトレーニングをしてみるといいと思います。
一度激しい運動をする
緊張ありの場合、運動によって急激に心拍数を上げてから休息を行い心拍数が下がることで緊張が緩和された。
高埜ら 緊張時における運動と休息によるパフォーマンス向上法の検討(2019)
緊張と運動に関する面白い研究があったので一部抜粋させていただきました。
緊張しているときは心拍数が上がり、通常何もしないと心拍数は下がりません。
しかし、急激な運動を行うことによりさらに心拍数が上がり、休息することで上がった分の心拍数が下がります。
この心拍数の低下が、体にとっては緊張を緩和したという現象に繋がったと書かれています。
あくまでも、一研究ですので必ず緊張が緩和されるとは言い切れませんが、試してみる価値はありそうな結果だと思います。
まとめ
本記事ではスポーツにおける緊張の本当の意味や原因、緊張をコントロールする方法をご紹介させていただきました。
今回ご紹介した内容は大切な大会前だけ取り入れても、ほぼ無意味に近いと思っています。
以前、スポーツのメンタルに関する勉強会に参加したときに講師の方が言われていたのは「メンタルトレーニングを受けても一日では強くなるわけではない」ということでした。
筋力や柔軟性を獲得するためには何日もトレーニングやストレッチに時間を費やすわけで、メンタルも同様だということです。
日頃の行動や言動の積み重ねで緊張がコントロールできる強いメンタルが鍛えられるようです。
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